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zoom RSS  V 検査と診断 ―潰瘍性大腸炎―(5)

<<   作成日時 : 2008/07/28 01:33   >>

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【潰瘍性大腸炎とまちがいやすい病気】


 潰瘍性大腸炎であると診断をつけるにあたっては、ほかの病気の可能性を除外する必要があります。

潰瘍性大腸炎の主症状である下痢や粘血便は、ほかのさまざまな病気でもみられます。

とくに、潰瘍性大腸炎の初期の、それほど症状がひどくない段階では、ほかの病気とまちがわれやすいといえます。


◎痔・痔核
 たとえば、痔核(いぼ痔)のうちでも肛門の内部にイボができる内痔核は、排便時の出血があるものの、痛みはなく、直腸炎型の潰瘍性大腸炎とたいへん症状が似ています。

そのため、まちがって痔と診断されて、長い間、痔の治療を受けていたという患者さんもいるのです。

また患者さん自身が痔だと勘違いして、受診が遅れてしまうケースも少なくありません。

肛門の視診や触診で確認します。



◎大腸がん
 大腸がんでも血便や下血の症状がよくみられます。

潰瘍性大腸炎の症状と重なるので、診断をつけるうえで、気をつけたい病気のひとつです。

腸の組織を採取して生検組織検査を行うことによって鑑別できます。



◎感染性腸炎

 腸に炎症が起こる病気でなじみの深いものに食中毒などの感染性腸炎があります。

サルモネラ菌などの細菌をはじめとした病原体の感染によって、腸に炎症がおこっている場合も、下痢や腹痛、血便などの症状が現れることがあります。

 感染性腸炎で注意が必要なのは、アメーバ赤痢とサイトメガロウイルス腸炎です。

 アメーバ赤痢は熱帯地方への渡航や同性愛の性行為により感染し、近年増加しています。

症状も内視鏡所見も潰瘍性大腸炎と似ていますが、原虫を検出することにより鑑別します。

 サイトメガロウイルス腸炎は、とくにステロイド薬や免疫抑制薬の使用中に合併しやすく、これらの薬を増量するほど症状が悪化します。

この場合は使用中の薬を減量し、抗ウイルス薬を使用します。


◎過敏性腸症候群
 腸管の運動に異常が起こり、下痢や便秘などの便通異常や腹痛が続く病気で、最近増加しています。

症状は潰瘍性大腸炎と似ていますが、粘膜に炎症は認められず、出血がみられたりすることもありません。

内視鏡検査やX線検査などでくわしく調べても、腸管自体に原因となる病変はみあたりません。

原因は不明ですが、ストレスなど心理的要因の影響が大きいと考えられています。

薬物療法と同時に心理面における治療が必要となることが多いです。


◎虚血性腸炎
 小腸・大腸に分布する腸間膜動脈や微小血管の血行障害が原因で、腸に炎症が起こり、突然の下痢や腹痛、下血などの症状を呈するものです。

高齢者に多く、高血圧や動脈硬化、糖尿病など、もともと心血管系の持病がある人に起こりやすいです。


◎薬剤性大腸炎 
 飲んでいる薬によっては大腸炎をおこすことがあります。

とくに抗菌薬による治療を受けている患者さんではおこりやすいので、問診で、服薬中の薬の種類を確認します。


◎放射線照射性大腸炎
 がんの患者さんなどで、下腹部に放射線療法を受けている場合、治療開始から半年〜1年後に、あるいは数年たってから腸に炎症が現れる場合があります。

問診で、放射線療法を受けたことがあるかどうかを聞くのはこのためです。


◎大腸憩室(けいしつ)症
 憩室とは、大腸の運動が異常に亢進することによって、腸管内部の圧力が高くなり、腸管壁の薄い部分や弱い部分が外側に向かって袋状にとびだしたものです。

高齢者に多くみられ、近年、増加傾向にあります。

憩室そのものはほとんど症状を呈さないのですが、便などが詰まって炎症(憩室炎)が起きると、腹痛や発熱、下血などの症状を呈します。



◎腸管ベーチェット病

 ベーチェット病は若年層に多発する膠原病の類似疾患で、全身に炎症を起こす病気です。

腸管を中心に病気が起こるのが、腸管ベーチェット病。


◎腸結核
 腸管粘膜が結核菌に感染することによって、腸管壁に結核結節ができます。

潰瘍化すると、腸の内腔が狭くなり、腹痛、下痢・便秘などの便通異常、微熱、全身倦怠感などが起こります。

肺結核から二次的に感染することもあります。

画像




 なお、潰瘍性大腸炎と診断がついても、これらの病気の可能性は常に頭においておく必要があります。

潰瘍性大腸炎の患者さんでも、食中毒を起こすことは当然ありえます。

また、長期的にみると、潰瘍性大腸炎の患者さんが大腸がんを合併する可能性は、ふつうの人より高くなっています。

そのため、大腸がんについては、定期的に検査を行って、チェックすることが大切です。

参照
横浜市立市民病院副院長
福島恒男著
『潰瘍性大腸炎』より

横浜市立大学付属病院消化器内科部長
中島 淳
『潰瘍性大腸炎 正しい治療がわかる本』より



―― 私が21年前に潰瘍性大腸炎を発症したとき、一番初めにかかった消化器系内科医は、下血があるとこちらが言っているのに、胃のレントゲン検査の結果から、胃酸が多く出ている状態だと診断した。

その後、それ以上の検査は行われなかった。

納得がいかなかった私は、大学の保健医に相談し、御茶ノ水にある東京I大学病院の第二外科を紹介してもらうことになる。

その時保健医は、まさか潰瘍性大腸炎だとは思わず、私の症状から、『過敏性腸症候群』ではないかと話していた。

このように、潰瘍性大腸炎の診断がつく前に、他の病気と判断されることもあり、また他の病気の可能性も考慮される必要もある。

もっとも、最初の消化器系内科医の場合は、下痢と下血があるという症状に対して、胃のバリウム検査のみしか行わなかったので、問題外だ。


 東京I大学病院でも、初めは、痔ではないかと疑われた。

肛門の視診・触診を経て、その可能性は消えた。

その後、血液検査などを受けた後、最終的には、大腸内視鏡検査による結果によって、潰瘍性大腸炎の診断が出た。



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2009/07/12 11:02
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
最初の消火器内科医は何を疑っていたんでしょうか?
出血性胃潰瘍かな。それでも最初は上部消化管内視鏡検査をしますね。
胃・十二指腸潰瘍・食道静脈瘤の破裂は早く処置をしないと命に関わります。
下痢・下血であればやはり炎症性腸疾患を疑ってCFをしますね。
いずれにしても出血を伴う消化器症状があれば、内視鏡検査が第一選択だと思います。
リョウパパ
2008/07/29 00:41
リョウパパさんへ
そうなんですよね。
私もこの消化器内科医師のところへは、内視鏡検査ぐらいはやられるだろうと覚悟して行ったのですが・・・
21年前のことなので、この医師が言ったことは正確には思い出せないのですが、下血している説明は無く、「しばらく様子を見ましょう」みたいなことを言われたんじゃなかったかと・・・
まあいい加減な診断のおかげで、大学病院にて診てもらうきっかけとなったのですから、良かったのかもしれません。
これが、この消化器内科医の元で治療を継続するような診断(なんとなく納得させられるような)であったなら、潰瘍性大腸炎の病状が進行して、手術っていうことになっていたかもしれません。
なにせ大学病院にて診断結果が出る頃には、下血でトイレの便器は真っ赤になり、下痢は一日中止まらずで、潰瘍性大腸炎という結果とおまけに栄養失調という診断まで下されましたから(笑
さとし
2008/07/29 16:23

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